近頃は「終活(しゅうかつ)」という言葉がかなり世の中に定着してきたようです。
皆様の中でも、「自分がいなくなったあと、家族がもめないように、遺言(いごん)を書いておきたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
でも、「せっかく書いた遺言が見つからなかったり、誰かに書きかえられたらどうしよう」「書き方をまちがえて無効になったら心配…」「あまり高額な費用がかかるなら、ちょっと…」という声もよく聞きます。
そんな不安を解消してくれる制度が、「法務局の遺言書保管制度」です。
今回は、この制度について、わかりやすくご紹介します。
◆「遺言書保管制度」ってなに?
これは、自分で書いた遺言書(自筆証書遺言)を、法務局という国の機関があずかってくれる制度です。
2020年7月から始まりました。
これまでは、自分で書いた遺言書を家にしまっておく方が多く、なくしてしまったり、見つからなかったりすることもありました。
でもこの制度を使えば、安全に保管できて、安心です。
◆主なメリットは?
- 🔒 なくさない・書きかえられない(法務局でしっかり管理)
- 📄 家庭裁判所での「検認」が不要(手続きが早くなる)
- 🧑⚖️ 全国の法務局で検索できる
- 📝 形式のまちがいがあれば、その場で教えてくれる
◆利用のながれ(かんたん4ステップ)
- 遺言書を手書きで作成して、印鑑をおす
- 法務局に予約して、自分で行く
- 書類を提出し、保管証明書をもらう
- 死亡後、家族が遺言書のコピーをもらえる
💰 費用はたったの3,900円!(2025年4月現在)
◆司法書士はどうサポートしてくれるの?
遺言書を書くときや、法務局に出すときは、司法書士に相談すると、とても心強いとおっしゃる方が多いです。
✅司法書士の主なサポート内容
- 書き方のアドバイス
遺言書の内容に問題があると「無効」になることも。司法書士がチェックして、正しい内容に仕上げてくれます。 - 必要な書類の準備
法務局に行くのはご本人だけですが、司法書士が書類の用意をサポートしてくれます。 - 遺言の実行サポート(遺言執行者)
亡くなったあと、遺言の内容どおりに手続きをしてくれる役目も司法書士が担えます。
◆公正証書遺言とのちがいは?
遺言には大きく分けて「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。
項目 | 自筆証書遺言(法務局保管) | 公正証書遺言 |
---|---|---|
作成 | 自分で手書き | 公証人が作成 |
証人 | 不要 | 2人以上必要 |
内容チェック | 書き方のみチェック | 内容まで法的に確認 |
裁判所の手続き | 不要 | 不要 |
費用 | 3,900円(安い) | 数万円〜(高め) |
確実性 | 書き方ミスで無効の可能性あり | 法的にしっかりした内容 |
👉 「費用をおさえたい人」→ 自筆証書遺言+法務局保管制度
👉 「確実に遺言をのこしたい人」→ 公正証書遺言
◆遺言書を作りたいけれど、どうすればいいの?
遺言は、あなたの「思い」を家族にのこす大切な手紙です。
書き方をまちがえて無効になってしまうのは、とても残念なこと。
公正証書遺言、自筆証書遺言。どちらの場合でも、司法書士のアドバイスをうけながら準備すれば、安心して未来にバトンを渡せます。
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