小さな庭に、冬のしあわせが舞い降りる

Et cetera

冬が近づくと、庭の空気が少しだけ澄んで、朝の光がやわらかく感じられる日が増えてきます。そんな季節、我が家の小さな庭にも、何種類かの野鳥がふらりと立ち寄ってくれるようになりました。
「寒い冬だけ、ほんの少し手助けできたらいいな」──そんな気持ちから、バードフィーダーとバードバスをそっと置いてみることにしました。

“助けすぎない”やさしさを、庭の片隅に

野鳥たちが人に依存しすぎないように、フードは“おやつ程度”。朝と夕方の1日2回だけ。
与えすぎない、近づきすぎない。でも、見守る。
この距離感がなんだか人間同士の関係にも似ていて、「やさしさってこういう形もあるよね」と、庭に立つたびに思うのです。

最初の来客は、青いしあわせ——イソヒヨドリ

しばらくすると、最初に姿を見せてくれたのはイソヒヨドリでした。
“幸せの青い鳥”の由来にもなった留鳥。青みがかった体色は、冬の景色の中でいっそう映えて、見つけるたびに心がほどけます。

さえずりの声も澄んでいて、ふとした瞬間に聞こえてくると、家の中にいても気づくほど。
かなり頻回に現れてくれるので、こちらが「今日も来てくれたね」と挨拶したくなるくらい、いつの間にか日常の一部になっていました。

オレンジ色の冬鳥、ジョウビダキの愛らしさ

次にやってきたのが、ジョウビダキ。冬鳥らしく、季節の訪れを知らせてくれる存在です。
オレンジ基調の羽色がとても美しくて、初めて庭で見つけた日は、思わず「わ…!」と声が出そうになりました。

そして何より、かわいいのがあの仕草。
ときどきお辞儀みたいに見える動作をして、尻尾を上下にぴょこぴょこ。
寒い日でも、その小さな動きひとつで庭が一気にあたたかくなる気がします。

警戒心の強い紳士、シジュウカラ

続いて現れたのは、シジュウカラ。白黒の配色がきりっと美しく、どこか“森の紳士”のような雰囲気があります。
ただ、警戒心が強いのか、出現回数は少なめ。姿が見えると、それだけで「おっ、今日は来てくれた」と嬉しくなります。

調べてみると、寿命が1年半ほどだという情報もあり、その儚さに胸がきゅっとなりました。
小さな体で、短い時間を精いっぱい生きている。
そんなことを知ってしまったら、もう応援したくなります。「どうか今日も無事で」と、こちらがそっと願う側になるのです。

庭を見ることが、いつの間にか“習慣”になった

もっと他の野鳥も来てくれるといいな。
そんな期待を抱きながら、窓の外を眺める回数が増えました。気づけばそれは、楽しみというより習慣に近いものになっていて。

忙しい日も、落ち込む日も、庭に目をやると、そこには小さな命のリズムがあります。
人間の時間とは違うテンポで、季節を生きている存在がいる。
それをただ見守るだけで、「今日も悪くないな」と思える瞬間が増えました。

冬の庭は、静かな“交流”の場所

バードフィーダーとバードバスを置いたことで始まった、野鳥たちとの小さな交流。
近づきすぎず、でも心は近くにいるような、不思議な距離感。
この冬もきっと、庭の片隅からやさしい物語が続いていく気がします。

あなたの庭(あるいはベランダ)にも、いつか小さなお客さまが来てくれるかもしれません。
そのときはきっと、季節が少しだけ、あたたかく感じられるはずです。


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